Mission

研究室のミッション

高度知識社会における政策・マネジメント手法の開発

 

現代は「知識社会」という言葉が表すように、知識と情報が高度なネットワーク上で流れることにより、創造性あふれる多様な活動が都市において生まれています。一方、社会の急激な変化は将来の不確実性を増大させ、政策当事者にとってより柔軟で迅速な意思決定ツールが求められています。本研究室は、より良い社会システムの在り方を求めて、交通コミュニケーションと人間行動、都市・地域政策、事業投資の最適な形態、社会資本整備と維持管理戦略、災害や社会情勢の変化など不確実性に対するリスクマネジメントなどについて都市社会システム計画学だけでなく経済学をはじめとする社会科学的も考慮にいれて分析し、それら諸問題を解決するためのツール、方法論や政策論を提案しています。研究テーマはつぎのようにグループ化されますが、詳しくは研究テーマをご参照下さい。

人間のコミュニケーション行動を考慮した交通モデリングと都市・交通政策

新しい交通・通信技術が開発され、それが社会に普及していくことにより人間のコミュニケーション行動の自由度は飛躍的に増大します。コミュニケーション技術の革新は、人間が情報や知識をより早く、より効率的に伝播することを可能にするだけではなく、異なる地域に立地する活動のさまざまな結びつきの可能性を拡げます。拡大されたコミュニケーションの可能性は、人間のコミュニケーション行動に多大な影響を及ぼしながら、社会システム自体の構造変化を引き起こしています。多くの交通行動において、交通主体は他人の意志と無関係にその行動のすべてを決定できるものではなく、多かれ少なかれ、他人の意志が交通行動の決定に関与しています。特に、フェイス・ツゥ・フェイスのコミュニケーションでは、相手とミーティングに関する合意を形成することが前提となります。本研究では、知識社会における重要なコミュニケーション行動であるミーティングに着目し、参加主体間の相互作用から生じる戦略的補完性を考慮したモデル化の方法とミーティングを支える交通基盤整備や都市・交通政策に関して検討を行っています。

国際経済のグローバル化と都市システムの発展

今日、世界的規模で進展する経済統合は世界各国の国土構造や地域構造に重要な影響を及ぼしています。このような世界経済の統合化と地球規模における世界都市のネットワーク化はこれまでの人類の歴史になかった新しい現象です。激化する世界都市間、地域間の競争下における社会資本整備の重要性を理解するためには、従来議論されていた社会資本の枠組みを大きく拡げ、社会資本の役割と機能について深く議論する必要があります。以上のような問題意識の下に、来るべき知識社会における創造的な都市の発展のメカニズムについて分析し、社会資本整備の新しい課題について考察しています。新しい知識社会にはどのような社会資本が必要とされるのか、そして都市・地域の創造的発展のために望ましい都市・地域政策は何なのか、といった問題について、経済成長モデルや都市モデル、ゲーム理論などを用いた分析をおこなっています。

土木システムのアセットマネジメント工学

社会資本は国民全体の資産(アセット)であり、その維持管理においては社会資本の耐用年数や劣化の過程、さらには社会資本が生み出す便益過程、維持補修に伴うライフサイクル費用とその不確実性を考慮に入れながら、社会資本の現在価値を最大化するようなアセットマネジメント戦略を立案することが課題となります。社会資本の維持管理問題は、不確実な環境の下で投資のタイミングと規模を決定するという点で、金融オプションと類似した構造を有しています。金融工学理論を応用することにより、劣化過程、施設需要、災害といった多様なリスクを考慮しながら、期待ライフサイクル費用(又は期待純便益)という統一的な視点から維持管理戦略の経済評価を行うことができます。また、多くの社会資本整備プロジェクトでは、社会・経済環境の変化を勘案しながら、プロジェクト実施のタイミングや順序を適切に見極める必要があり、ここにも金融工学理論のひとつであるリアルオプション理論の適用が可能です。このように、金融工学理論を適用することで、これまで単独の問題として別々に扱われてきた社会資本の維持補修、プロジェクト評価、構造物の性能設計、プロジェクトファイナンス、災害保険,キャットボンド等の問題を、土木システム全体の総合的なアセットマネジメント技術として体系化していくことを目標としています。

契約理論に基づく社会資本整備プロジェクトの効率化

規模が大きく、長期間にわたる社会資本整備プロジェクトでは、地質条件、自然条件、設計変更、法律の改廃など様々な問題が事業期間中に発生する可能性があります。これらの不確定要因に関して、将来起こるべき内容を契約書に全て盛り込むことはできず、契約は不完備にならざるを得ません。不完備契約では、事業期間中に発生する事象には契約ルールの変更という形で対処しますが、再契約時点で生じた交渉力を戦略的に用いて、相手が生み出した余剰を搾取しようとしたり(ホールドアップ問題)、交渉過程において相手側の立証能力の欠如を意識的に利用する(モラルハザード問題)ことにより、請負側のインセンティブが低下したり、再契約に多大な追加的費用や時間がかかるという非効率性が生じてしまいます。この非効率性は、自分の持つ情報を相手は有していないという情報の非対称性に起因するといえます。契約が不完備であり、情報の非対称性が存在する状況下での、契約における発注側と請負側の意思決定メカニズムをゲーム理論に基づく数学的モデルにより分析し、効率的な契約方式の開発を目指しています。

最終更新日 2015年6月18日(木曜)13:39

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