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大西正光

大西 正光: Masamitsu Onishi

京都大学大学院 工学研究科 都市社会工学専攻 教授

〒615-8540 京都市西京区京都大学桂C-1-2棟 332号室(地図はこちら
電話 : (075) 383-3222
FAX  : (075) 383-3224
Email: onishi.masamitsu.7e[at]kyoto-u.ac.jp

Researchmap】 
https://researchmap.jp/read0112035

【京都大学教育研究活動DB】
https://kdb.iimc.kyoto-u.ac.jp/profile_private/ja.5d3be53879cbb1d5.html

 

研究テーマ(予定も含む)

1. 大規模火山噴火切迫時における避難体制の構築

今後数十年以内には大規模噴火が確実に起こるとされる鹿児島の桜島を対象として、大規模噴火噴火の切迫時の避難体制を確立を目指し、火山学、交通工学、文化人類学、社会心理学、教育学者等さまざまな分野の専門家とともに、実際に現場に身を置きながら、どのようなプロセスで鹿児島市民の生命を守るための社会的体制を構築していけばよいのかを考えています。

  

2. 大規模火山噴火切迫時における航空交通の危機管理体制の構築

 2010年に発生したアイスランドのエイヤフィラトラヨークトル火山の大規模噴火によって、ヨーロッパを離発着する航空網が長期に渡って途絶したように、火山灰の広域に及ぶ拡散は、航空交通に大きな影響を与える。大規模噴火が発生する際には、大量のマグマが上昇することから、山体膨張や地震の頻発といった予兆現象が必ず観測される。近年では、火山観測技術が高度に発達しており、日常的に発生している小規模な噴火でも、噴火する前の山体膨張を捉えることができる。京都大学の桜島火山観測所は世界においても最も高度な観測体制を構築しており、大規模噴火が発生する前の段階で、その予兆を確実に捉えることが可能である。したがって、大規模噴火が始まった後ではなく前の段階で、欠航や降灰が予想される地域からの航空機の退避などの緊急対応行動を実行できれば、その被害影響を軽減できる。一方で、観測される予兆現象が観測されたとしても、観測された情報に基づいて、どのタイミングで、どのような緊急対応行動を講じれば良いのかを検討する枠組みは存在していないのが現状である。本研究では、大規模噴火前の噴火が切迫したと判断される状態において、火山灰による航空交通への影響を最大限抑制するための危機対応システムを構築することを目的としている。

 

3. インフラサービス供給のための望ましいPPP適用の評価枠組及び手法の確立

民間企業の裁量を拡げて、より効果的かつ効率的にインフラサービスを供給することを目指すPFI (Private Finance Initiative)あるいはPPP(Public Private Partnership)と呼ばれる仕組みが導入されて20年以上が経つ。しかし、その適用や効果に関する基本的な考え方は、未だにコンセンサスが確立したとは言えない状況にある。本研究課題では、経済学や人的資源管理等の視点から、どのような条件の下でのPPP適用が望ましいのかを評価するための枠組及び手法を開発する。

 

4. 災害応急復旧事業における官民関係に関する研究

  災害が発生した直後は道路啓開(被災した道路を暫定的に通れるようにすること)や破堤箇所の緊急補修などの災害応急復旧対応が行われる。こうした応急復旧工事は、建設業者ー特に地元のーによって行われる。わが国における応急復旧のスピードは他国に比してもかなり早いことが知られているが、地方の建設従事者が減少する中、それを可能にする官民関係の持続可能性が脅かされている。本研究課題では、行政だけではなく地域の建設業協会や建設業者が直面している現実的問題を直視しながら、スピーディーな応急復旧工事を可能にするわが国の官民関係の構造を明らかにした上で、今後の持続可能な仕組みを実践科学的に模索する。

 

5. 建設分野におけるパンデミック危機対応の検証及び未来への備えに関する検討

 建設マネジメント委員会では、2020年度からパンデミック対応検討特別小委員会を設置し、コロナ禍における現場での対応や課題について情報収集を行い、異なる立場の委員の間での議論を通じて適応策について検討を行い、学会でもその成果を発信してきた。しかし、移動や対面接触が制限されてきた中で、十分に現場に身を置く労働者がコロナ禍で直面した悩み等の声を十分に集めてきたとは言えない。また、事業継続においてデジタル技術が大きな役割を果たした一方で、DX推進にかかるさまざまな課題も認識されつつある。さらには、今般のコロナ禍では、建設産業は必須産業として位置づけられたが、将来さらに感染力の高い感染症が蔓延する可能性を考えれば、難しい対応を迫られる局面でいかに判断を下すのか、事前に検討しておく必要もある。土木学会外の機関でも、パンデミックに関する各種調査研究も進んでいるが、今般のパンデミックを経たからこそ見えてきた今後の建設生産システムのあり方やパンデミックに対する危機対応マネジメント能力の向上に向けた処方策といった総括はなされていない状況にある。以上の問題意識の下、本研究課題では、以下の3つの目的を設定する。

【目的1】課題の整理 ウィズコロナの社会へのシフトが進んだ今だからこそできる知見を総括すべく、発注者、コンサルタント、施工者、そして経営者、現場責任者、労働者といった建設生産システムにおける異なる立場で直面した課題を取りまとめる。
【目的2】次への備え 次なるパンデミック下での危機対応に向けたリスクマネジメントの枠組及び建設生産システムにおける危機対応能力の向上に資する訓練ツールの開発を行う。
【目的3】今後の展望試論提示 今般のパンデミックはデジタル技術の活用推進の契機となったが、そのメリット・デメリットや推進上の課題も総括し、今後の建設生産システムの展望に関する試論を提示する。

 

最終更新日 2023年4月05日(水曜)16:57

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